研究者総覧参照


所属 大学 教職課程
教職員身分 准教授
氏名 針塚瑞樹
フリガナ ハリヅカ ミズキ
専門分野 教育人類学
インド地域研究
最終学歴 九州大学大学院人間環境学府発達・社会システム専攻 教育学コース 博士後期課程 単位取得退学
職歴(研究歴) 平成17-18年 日本学術振興会特別研究員DC2
平成24-26年 九州大学大学院人間環境学研究院助教
学位 博士(教育学)
メールアドレス harizuka@nm.beppu-u.ac.jp
研究テーマ キーワード インド、NGO、児童養護施設、ストリートチルドレン、ノンフォーマル教育、若者、家族形成、ケアコミュニティ
具体的内容 インドの首都デリーをフィールドに、学校に通っていない子どもたちがどのような教育を受け自立しているのかについて研究しています。現在は、子ども時代にストリートチルドレンとして児童養護施設の支援を受けた若者たちの「家族」に関する意識と、実際にどのような「家族」を形成しているのかについて、インタビューを中心に調査をしています。今日、家族やカースト集団などの個人が守られていた基盤が揺らいでいるとされるインドにおいて、家族に頼ることができない子ども時代を過ごした若者たちが、家族をどのようなものとして想像し、また創造していっているのかを明らかにすることで、現代インド都市社会に生きる個人が基盤とする共同体の今日的状況を捉える研究をしています。この研究を通じて、日本社会に生きる私たちにとっても、「家族」とは何か、どのような問題があり、可能性があるのかを考えるうえでの示唆を得られると考えています。
研究業績 主な論文 ①針塚瑞樹「インドの初等教育普及過程にみる 「子ども」の複数性 ―英国統治期インドの教育政策の検討を中心として」『子ども社会研究』第24号、23-41頁 、2018年、査読無。

②針塚瑞樹「ノンエリート高学歴者の職業アスピレーション―工学系私立大学卒業者の事例―」『アジ研ワールドトレンド』アジア経済研究所、8-11頁、2017年、査読無。

③針塚瑞樹、向井隆久「教員養成課程学生の道徳の授業観と「考え、議論する道徳」授業の学習指導案作成の困難性」『別府大学紀要』第58号、75-88頁、2017年、査読無。

④針塚瑞樹「「家族」のあり方と子どもの幸福感―インド都市社会に生きる子どもたちの事例から」『教育と医学』No.755、72-79頁、2016年、慶応大学出版会、査読無。

⑤針塚瑞樹「インド都市部における「学校外の子どもたち」に対する平等な教育機会の提供に関する一考察―「無償義務教育に関する子どもの権利法」施行後の特別教育とノンフォーマル教育の事例から―」『アジア教育』第9巻、1-25頁、2015年、査読無。

⑥針塚瑞樹「第2章 インド児童養護施設出身の若者のキャリア形成における教育の役割―デリー、NGO施設SBTの若者の事例―」 『「学校から仕事へ インドにおける教育と雇用のリンケージ」研究会中間報告書』 アジア経済研究所、2014年、査読無。

⑦宮本聡、針塚瑞樹「特別支援学級における「子どもの特性」に配慮した教育実践―「特別な教育的ニーズ」に関する事例研究―」『国際教育文化研究』第14号、2014年、査読無。

⑧針塚瑞樹「「インドにおける若者の進路選択にみる社会関係―タミルナドゥ州、工学系私立大学生の事例―」九州大学大学院教育学研究紀要 第15 号(通巻第58 集)、73-89 頁、2013年、査読無。

⑨針塚瑞樹「コラム@インド 家族と生きる女性たち」『月間 ウィーラーン』Vol.718、15頁、2013年、査読無。

⑩針塚瑞樹「子どもの「自己決定」と葛藤の不可能性―インド都市社会における路上生活経験のある子どもの事例から―」『子ども社会研究』第17 号、37-46 頁、2011 年、査読無。

⑪針塚瑞樹「人類学と教育学──「子どもの人類学」が示唆すること」『九州人類学会会報』、第38号、30-36頁、2011年、査読有。

⑫針塚瑞樹「路上生活経験のある子どもの「教育の機会」とNGO―ニューデリー、NGO‘SBT’の事例から―」『南アジア研究』第22 号、100-106 頁、2010 年、査読有。

⑬針塚瑞樹「City Walk」『九州大学大学院人間環境学府共生社会学論集Ⅳ 作・話』、6-19頁、2010年、査読無。

⑭針塚瑞樹「インド社会におけるNGO の教育的役割―学校に通っていない子ども達を対象とした教育実践の事例から―」『国際教育文化研究』第9 号、61-72 頁、2009 年、査読無。

⑮針塚瑞樹「子どもの「自己決定」に関する一考察―子どもの意見表明・参加の権利を中心に―」『九州教育学会研究紀要』第36 号、225-233 頁、2009 年、査読有。

⑯針塚瑞樹「教育開発におけるノンフォーマル教育の役割―都市で働く子どもたちを中心に―」『九州教育学会研究紀要』第35 号、69-76 頁、2008 年、査読有。

⑰針塚瑞樹「子どもの労働体験」と「児童労働」『国際教育文化研究』第7 号、37-48 頁、2007 年、査読無。

⑱針塚瑞樹「教育開発におけるノンフォーマル教育の可能性 ―インドのNGO を中心として―」『九州教育学会研究紀要』第34 号、35-42 頁、2007 年、査読有。

⑲針塚瑞樹「子どもが路上生活を止める/続ける理由 ―インド、ニューデリー駅周辺の事例から ―」『子ども社会研究』第13 号、18-31 頁、2007 年、査読有。

⑳針塚瑞樹「子どもの路上生活経験と学校教育 ―インド、ニューデリーのストリートチルドレンを中心に―」『飛梅論集』第7 号、1-17 頁、2007 年、査読有。
主な著書 ①針塚瑞樹「インドの社会福祉」『新世界の社会福祉 南アジア』日下部尚徳編、旬報社、2020年。

②針塚瑞樹「「関係的権利論」からみる基礎教育―植民地近代の遺産とグローバル時代が交錯するインド」『子どもへの視角 新しい子ども社会研究』元森絵里子・南出和余・高橋靖幸編著、新曜社、2020年、。

③針塚瑞樹「NGOによる教育支援」インド文化事典編集委員会編『インド文化事典』丸善出版社、2018年、。

④パトリシア・A.アドラー&ピーター・アドラー『ピア・パワー 子どもの仲間集団の社会学』九州大学出版会、訳住田正樹、東野充成、佐々木正徳、山瀬範子、針塚瑞樹、197-266頁(担当箇所)2017年。

⑤針塚瑞樹「第6章 インドにおけるノンフォーマル教育とNGO―デリー、ストリートチルドレンを対象とした教育実践と子どもの権利―」押川文子・南出和余遍『「学校化」に向かう南アジア 教育と社会変容』、昭和堂、197-220頁、2016年。

⑥針塚瑞樹「補論4 貧困層教育とNGO」『現代インド4 台頭する新経済空間』三陽社、273-276頁、2015年。

⑦クレイグ・ジェフリー『インド地方都市における教育と階級の再生産 高学歴失業青年のエスノグラフィー』明石書店、訳佐々木宏、押川文子、南出和余、針塚瑞樹、小原優貴、221-278頁(担当箇所)2014年。

⑧針塚瑞樹「解題 本田和子 境界に立って」『叢書 児童文化の歴史Ⅲ 児童文化と子ども文化』加藤理、鵜野祐介、遠藤純 編、港の人、178-181頁、2012年。

⑨針塚瑞樹「児童労働」『日本比較教育辞典』東信堂、199頁、2012年。
受賞歴及び社会活動 日本南アジア学会 九州支部会幹事
現代インド研究センター広島大学拠点 研究協力者
広島大学教育開発国際協力研究センター客員研究員
日本子ども社会学会 将来構想委員
別府市立南小学校 学校運営協議会委員
由布市いじめ問題対策連絡協議会 委員
由布市いじめ問題解決支援委員会 委員
所属学会 日本文化人類学会、日本子ども社会学会、日本南アジア学会、日本アジア教育学会、日本比較教育学会、九州教育学会、
学生へのメッセージ  私の専門は文化人類学で、インドの教育に関する研究を行っています。これまでの研究ではインドのストリートチルドレンといわれる学校に行くことができない子どもたちが、どのようにして教育を受け、自立/自律しているのか、子どもを支援する児童養護の活動について観察し、職員や施設の子どもたちにインタビューを行ってきました。ストリートに暮らす子どもたちは、ノンフォーマル教育と呼ばれる教育活動を通じて施設職員との間に信頼関係を築くなかで、学校に通って勉強することや職業訓練を受けること、施設を出た後に就職することを、自ら決心しています。こうした子どもたちの「自己決定」は、施設の職員や施設を通して知り合ったボランティアなど、信頼関係のある人の助言や支援によって支えられています。人が重要な事柄を選択するときに、何による影響を受けているのか、そのなかで教育の果たす役割とはどのようなものかを考え、人の成長における教育の役割について考えを深めていくのは興味深いです。
 授業では主に教職課程の科目を担当しています。教職課程を履修するみなさんは、教員という仕事に何かしらの関心をもっていると思いますが、教員になって何をしたいのか、という自分の教師像を授業を通じて具体的にしていきましょう。
 教員は主に学校での教育を通じて子どもに接しますが、子どもの生活は学校外の場所や時間によっても成り立っています。子どものの生活する世界をさまざまな視点からみることで、教育のもつ可能性と困難について一緒に考えていきたいと思います。
地域貢献  小学校の学習支援の活動に参加しています。教職を希望している人は、校種に関わらず、教育の現場を訪れる機会や幅広い年齢の子どもとの交流をもつことで、教職への理解を深めることができると思います。興味のある人は一緒に参加しましょう。


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