研究者総覧参照


所属 初等教育科
教職員身分 教授
氏名 吉村壮明
フリガナ ヨシムラ マサアキ
専門分野 美術教育学
文化実践論
最終学歴 京都市立芸術大学大学院美術研究科博士後期課程芸術学専攻退学
職歴(研究歴) Bゼミスクール(現代美術教育研究機関)セッション修了・東京(平成2年8月)
熊本県公立中学校教諭(平成4年4月)
大分大学教育学部附属中学校講師(平成10年4月)
熊本信愛女学院中学・高等学校美術科講師(平成11年4月)
九州大学大学院人文科学研究院派遣研修員(平成24年7-9月)
九州大学大学院人文科学研究院派遣研修員(平成26年8-9月)
沖縄キリスト教短期大学専任講師(平成13年4月)
沖縄キリスト教短期大学准教授(平成16年4月)
別府大学短期大学部准教授(平成27年4月)
別府大学短期大学部教授(現在)
学位 修士(教育学)
中学校教諭一級普通免許状(美術)
高等学校教諭一級普通免許状(美術)
中学校教諭専修普通免許状(美術)
高等学校教諭専修普通免許状(美術)
ホームページ https://www.beppu-u.ac.jp
メールアドレス yoshi(at) nm.beppu-u.ne.jp
※(at) は @ に置き換えて下さい。
研究テーマ キーワード 美術教育 現代美術 地域振興 文化受容 鑑賞教育
  
具体的内容 図画工作および美術教育学、文化実践論を主に研究しております。エーコの「開かれた作品」という概念に示唆され、前居住地の沖縄では地域振興としてのアートプロジェクトやアートワークショップの実践を行ってきました(現在は「地域社会フィールドワーク演習」担当)。また、カルチュラルスタディーズおよびポストコロニアル論と美術の教育という枠組みから浮上する地域やマイノリティ、文化受容の問題にも関心があります。現在、初等教育および中等教育における美学・芸術学と教育学に関する課題、表現様式(平面表現やインスタレーション)と教育内容の考察、文化受容者層育成としての鑑賞教育の研究を行っております。
研究業績 主な論文 主要論文
(1)「メディア社会における絵を描く子ども達のアポリア」平成9年10月・『美育文化Vol.47』・美育文化出版
(2)「現代におけるオリジナリティの不在と美術教育に関する若干の考察」・平成10年3月・『a.e.net Vol.1』a.e,net研究会
(3)「美術教育の表現活動と開かれた作品に関する考察-ウンベルト・エーコの理論を中心とした表現活動の可能性-」・平成11年3月・大分大学大学院教育学研究科
(4)「イメージの引用による表現活動―コラージュによる顔写真のイメージ変容―」・平成11年9月『造形ジャーナルVol.44』・開隆堂出版社
(5)「美術と美術教育の関係性についての考察-美術教育の現代化のために-」平成11年11月・『熊本県高等学校教育研究会美術工芸部会 平成11年度研究紀要』熊本県教育研究会
(6)「美術教育における人物の表現観の射程とその問題」平成13年2月・『美育文化Vol.51』・美育文化出版
(7)「現代美術と美術教育における表現観について-抽象表現主義、ダダのオブジェ、ポップアートを中心として-」・平成13年3月・美術教育学第22号・美術科教育学会
(8)「現代社会における子どもの感性と表現の問題-表現活動の現代化に関する考察-」・平成13年12月・沖縄キリスト教短期大学紀要第30号・沖縄キリスト教短期大学
(9)「作品と表現概念をめぐる基礎的考察-近代における「作者」の誕生を中心として-」・平成14年12月・沖縄キリスト教短期大学紀要第31号・沖縄キリスト教短期大学
(10)「マイノリティへ向けての試論-ローカルな観点からみた美術教育の今日的課題-」・平成15年12月・沖縄キリスト教短期大学紀要第32号・沖縄キリスト教短期大学
(11)「開かれた作品(Opera Aperta)に関する基礎的考察」・平成22年3月・沖縄キリスト教短期大学紀要第38号・沖縄キリスト教短期大学
(12)「初等教育における図画工作の指導法をめぐる問題」・平成28年3月・初等教育No.42・別府大学短期大学部
(13)「「造形遊び」の概念に関する試論」・平成29年3月・別府大学短期大学部紀要第36号・別府大学短期大学
(14)「「文化受容者」育成としての美術教育へ」・平成30年3月・初等教育No.43・別府大学短期大学部
(15)「物質的想像力と造形遊びに関する断章」・平成30年3月・別府大学短期大学部紀要 第37号・別府大学短期大学部

その他(解説・書評・研究ノート等)
(1)解説 宮脇理 編集『4本足のニワトリ』平成10年6月・国土社、巻末
(2)新聞連載 「教えて現代美術」平成12年4月~平成13年3月・熊本日日新聞
(3)解説(文献解説) ショウ『フィンガー・ペインティング』平成16年3月・『美育文化Vol.54』・美育文化出版
(4)解説(文献解説) 松本キミ子他『絵の描けない子は私の教師』平成16年3月・『美育文化Vol.54』・美育文化出版
(5)解説(文献解説) 浅利篤『児童画の意味』平成17年3月 『美育文化Vol.55』・美育文化出版
(6)解説(文献解説)  B・エドワーズ『脳の右側で描け』平成17年3月 『美育文化Vol.55』・美育文化出版
(7)書評 Practicaネットワーク編『アート・リテラシー入門』 平成16年2月 『美術科教育学会通信No.55』・美術科教育学会
(8)研究ノート 「吉村壮明個展:インスタレーション「ひとつの寓話」をめぐって」平成20年2月・沖縄キリスト教短期大学紀要第36号・沖縄キリスト教短期大学 ほか
主な著書 著書(共著)
(1)宮脇理 監修『美術科教育の基礎知識』・平成12年6月・建帛社
(2)川俣正、ニコラス・ぺ-リー、熊倉敬聡 編著『セルフ・エデュケーション時代』・平成13年1月 ・フィルムアート社
(3)野村知子 編著『幼児の造形』・平成14年4月・保育出版社
(4)山木朝彦、仲野泰生、菅章 編著『美術鑑賞宣言-学校+美術館-』・平成15年3月・日本文教出版
(5)プラクティカネットワーク編『アートという戦場』・平成17年8月・フィルムアート社
(6)福田隆眞・福本謹一・茂木一司 編集『新版 美術科教育の基礎知識』・平成22年10月・建帛社

設計・制作、演奏、競技等の実技に関する業績(※主要作品展覧会のみ)
インスタレーション「教育による芸術」『コンテンポラリーアートの冒険Vol.10』共同(グループ展)・平成10年9月・IMS(イムズ)/福岡
インスタレーション「ひとつの寓話」吉村壮明個展 単独(個展)・平成18年11月・Pink Salonギャラリー/沖縄
受賞歴及び社会活動 受賞歴
(1)「沖縄県西原町戦没者慰霊碑意匠感謝状授与」・沖縄県(平成13年)
外部資金助成歴
(1)吉村壮明代表「オルタナティヴスペース実地調査に関する研究助成」・沖縄キリスト教学院研究助成金申請取得(平成18年)
(2)吉村壮明代表「オルタナティヴメディアとしての自由ラジオ調査研究に関する研究助成」・宇琉麻学術交流研究助成金申請取得(平成19年)
社会活動
(1)熊本県高校文化連盟芸術部会にて助言および発表(場所:熊本県立天草高校)・平成12年2月
(2)地域交流事業「夏休み仲良しプログラム」ワークショップ企画運営(場所:沖縄キリスト教短期大学)・平成13年8月
(3)沖縄県私立保育園連盟保育研究大会にて助言・講演(場所:東風原町福祉センター)・平成14年1月
(4)wanakio2003 子どもワークショップ企画・実践・平成15年10月
(5)講演会「レッジョ・エミリアの教育」および公開講座企画運営(場所:沖縄キリスト教短期大学)・平成15年11月
(6)沖縄県造形教育研究大会・うるま大会にて助言(場所:うるま市立天願小学校・幼稚園)・平成17年3月
(7)浦添市主催保育研究大会にて講演(場所:浦添福祉文化センター)・平成18年1月
(8)沖縄県造形教育研究大会・那覇大会にて助言(場所:那覇市立大道小学校・幼稚園)・平成18年9月
(9)社会人対象公開講座「誰でもわかる!現代美術入門」講師 全10回(場所:沖縄キリスト教学院大学・短期大学)・平成24年4~8月
(10)全国造形教育研究大会沖縄大会助言(場所:浦添市浦添小学校)・平成24年8月
(11)社会人対象講演「美術教育再考」講師(場所:浦添市美術館ホール)平成27年1月 ほか
所属学会 美術科教育学会
日本美術教育学会
学生へのメッセージ アマルティア・センは「アインデンティティに先行する理性」という考え方を述べています。かつての「血や土」(ダレ)という土着的郷土性への視点や「想像の共同体」(アンダーソン)、具体的に言えば、既に在る社会組織に所属・従属するのは、皆さんが受動的であれば、ある意味、楽な部分もあります。ところが、実際、その場の多くは権力を保持したマジョリティの「価値観の同質性」を前提に構築されています。この既存共同体への同化・強制プロセスが全体主義やナショナリズムの素地になっているわけですが、本来、人間とは多様であるはずなのです。
社会的にダイバーシティ化が進行している最中、まずもって重要なのは、異なる価値観や他者性を認める意識を個々が持つ事ではないでしょうか。自分が自分である実感(アインデンティティ化)は、学内外での様々な経験を通して形成されるものですが、皆さんには同時に他者を受容する気持ちを持ってもらいたいと願っています。その自他を眼差す「理性」的意識こそが他者性や多様性を含みこむ「新たな共同体」を作る根っこになるのです。
地域貢献 美術と地域、ワークショップ、アートプロジェクトなどに関心があります。全学部学科教養科目の「地域社会フィールドワーク演習」では、別府や大分で可能な地域貢献とはなにかを学生の皆さんと一緒に考えていきたいと思っております。
自由記述 時折、禅の言葉として引用される「前後際断(ぜんごさいだん)」という言葉が好きです。人は物事の原因と結果を考えて苦悩しがちなのですが、この言葉の持つ「前(過去)も苦悩せず、後(未来)にも不安にならず、選択の積み重ねで現在を考える」という意味合いは、どんなに理不尽で不条理な日常であったとしても、目の前の地平が開けるような心持ちになります。
ところで、現代アメリカ文学の巨匠、コーマック・マッカーシーは『血と暴力の国』(原題:No Country for Old Men/黒原敏行訳)扶桑社,2005で、純粋悪(pure evil)として描かれる登場人物シガーに「人生の一瞬一瞬が曲がり角であり人はその一瞬一瞬に選択をする」(p.340)と語らせています。小説は「善なる人々」の諦観を描いたとさえ思える内容ですが、そのモラル的判断は保留するとしても、近年、まさにこの「選択の連続」こそが人生なのかもしれないと実感しています。ちなみに作家では三島由紀夫と島尾敏雄、遠藤周作を愛読しています。


PAGE TOP