研究者総覧参照


所属 文学部 国際言語・文化学科
教職員身分 教授
氏名 安松みゆき
フリガナ ヤスマツ ミユキ
専門分野 美術史学、建築史学
最終学歴 早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学
職歴(研究歴) 1996年4月 跡見女子大学、立教大学非常勤講師
2000年4月 別府大学文学部芸術文化学科助教授
学位 博士(文学)
メールアドレス yasumatu@nm.beppu-u.ac.jp
研究テーマ キーワード 美術史学、美学・芸術学史、比較美術史、ジャポニスム、建築史学
具体的内容 ウィーン世紀末美術のテーマでは、ハプスブルク帝国支配下でどのように成熟した美術を形成したのかを、多民族国家における西欧と東欧の文化の混在や、当時の時代精神などを踏まえて検討してきています。そこには現在そして今後のインターナショナルながらも独自性をもった美術の創造にひとつのヒントを見い出すことが可能だと考えています。もうひとつの日独美術交流史では、20世紀から終戦までのドイツにおいて、日本美術がどのように受容されたのかを、画家、展覧会、そして学術動向をとおして考察してきています。時代的にナチスを背景にした動向でもあるために、美術と政治との危うい関係をリアルな形で追い求めてゆきたいと思っています。また近年には「日本における西欧イメージ」に関心を持ち、日本人の抱く西欧とはどのようなかたちで表現されてきているのかを、テーマパークなどの踏査から解明したいと目論んでいます。
研究業績 主な論文 (1)「洋画家原田直次郎の非嫡出子アルベルト・ナオジロー・フーバーおよびその母マリイ・フーバーに関する史料と鴎外筆『獨逸日記』」『別府大学大学院紀要』21号、 77-85頁。2019年。
(2)「戦後ドイツの脱ナチ化をめぐって 2017年度開催の展覧会を事例に(3)」『別府大学紀要』60,号、1-13頁。2019年。
(3)「画家ツェツィーリエ・グラーフ・プファフとユダヤ人画商  ーナチス略奪書籍の蔵書票を契機に」『別府大学大学院紀要』20号、1-12頁。2018年。
(4)「近代ドイツにおける日本美術展覧会」『近代画説』26、明治美術学会、26-41頁。2017年。
(5)「原田直次郎がドイツに伝えたもの:画家「ツェツィーリエ」の日本的な作品をとおして」『近代画説』25、明治美術学会、66-82頁。
(6)「忘却された「防共桜」の植樹をめぐってー多摩川浅間神社の桜と日独文化交流ー」別府大学文学部『別府大学紀要』56号、2015年。
(7)「ミュンヒェン・アジア美術および文化愛好家協会」の活動をめぐる一考察 ―ドイツ近代における日本美術および中国美術への関心―]別府大学文学部『別府大学紀要』54号、2013年。
(8)「1939年「伯林日本古美術展覧会」と報道ーー日本美術の評価と展覧会の意図をめぐってーー」安松みゆき 美学会『美学』59巻第1号 2008年。
(9)「第一次世界大戦下のドイツ人俘虜大分収容所で生み出された美術をめぐってー『大分黄表紙 ー鉄条越し患者のための本ー』」 安松みゆき平成15-16年度科学研究費補助金基盤研究(B)研究報告書 『20世紀における戦争と表象・芸術ー展示・映像・印刷・プロダクツー』 2005年。

主な著書 (1)『もやもや日本近代美術』共著、勉誠社、2022年。
(2)『ナチスドイツの<帝国>日本美術』吉川弘文館 2016年。
(3)解題共著『原田先生記念帖』明治美術学会編、学藝書院,2015年。
(5)共著P.パンツァー『日独交流史 150周年の軌跡』雄松堂、2013年。
(6)共著稲賀繁美編『東洋意識 夢想と現実のあいだ 1887~1953』ミネルヴァ書房、2012年。
(7)「Die Ausstellung Alt- japanische Kunst n Berlin 1939, Ein kunstpolitisches Grossereignis und seine deutsch-japanischen Hintergruende、in:Ferne Gefaehrten, 150 Jahre deutsch-japanische Beziehungen, Mannheim,2011.
(8) 共著五十殿利治編『帝国と美術』国書刊行会、2010年。
(9)共著五十殿利治編『板垣鷹穗 クラシックとモダン』森話社、2010年。
(10)共著小松和彦編『妖怪文化の伝統と創造 絵巻・草紙からマンガ・ラノベまで』せりか書房、2010年。
(11)共著長田謙一編『国際シンポジウム 戦争と表象/美術 20世紀以後』美学出版 2007年。
(11)共著五十殿利治他編『クラシックモダン 1930年代日本の芸術』せりか書房 2005年。
(12)共著『建築20世紀Part1』 新建築社 1991年。

(13)翻訳ハインリヒ・ゲルツ 『ヒエロニムス・ボッシュ』パルコ美術新書、1994年。
受賞歴及び社会活動 鹿島美術財団鹿島財団賞 1997年

大分県立芸術会修資料蒐集委員(2000年-2013年)
別府八湯トラスト理事(2000年ー2007年)
混浴温泉世界実行委員会委員(2018年ー)
所属学会 美学会、明治美術学会、 Verbandes Detuscher Kunsthistoriker e.V.等
学生へのメッセージ  
 研究でも、そして日常においても「真理の探求」を目指すには、時間がかかり、嘘のない、真摯な姿勢が求められます。これは大学で学ぶ者には必要不可欠な姿勢ともいえます。それをまず自覚してください。
 
 さらに、大学では学問を深めるとともに、自主的な活動によって自己を鍛え、社会に貢献できる人間になることを目指して下さい。
  
 美術史は、単に美術作品を扱う学問でなく、その作品が制作される背景、時代性など、歴史、社会、心理、哲学など、さまざまな分野を横断する学問分野です。美術史に取り組むことで、幅広い教養を身につけることができます。もちろん、知力だけでなく、人格、身体等、多面的に自らを高めることが重要だと考えています。少しでも、みなさんの手助けになれれば、うれしい限りです。一緒に大学生活を意義あるものにしていきましょう。

 

 
  
地域貢献  ○ドイツ語圏の近代美術史を、毎年調査をしているので、豊富な最新データで紹介することができます。
 ○日独交流を、美術史の観点から,紹介することができます。
 ○第一次大戦時の大分におけるドイツ人俘虜収容所を調べてきています。
 ○近年は、美術史の多様性を理解できるように、自らの研究をとおして、西洋の近代絵画と日本の浮世絵の妖怪との関係などを講演する機会を得ています。
 ○今後は、日本における外国のイメージ化とはどのようなものなのかを、テーマパークや雑誌等で検討してみたいと思います。九州ということでは木造近代教会をとりあげて日本独自の教会デザインの特徴を考えてみたいと思っています。


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